アジア失明予防の会

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●  ベトナム体験記(谷藤眼科病院 眼科医 寺井 典子)

2008年11月3日から7日間

 ハノイではハノイ国立眼科病院、フレンドシップ病院にて外来診察や20G内視鏡を用いた硝子体手術を見学しました。2日前に発生した24年振りの大洪水の影響で多くの患者さんが来院できず、予定手術の半分以上がキャンセルという状態でした。普段と違い余裕がある中での見学となり、スタッフの方やベトナム人Dr.からより丁寧に接して頂くことができ、充実した見学となりました。手術場では、それほど複雑ではない症例は服部先生が指導されたDr.が執刀します。教育もしっかりされているということに深い感慨を受けました。診察や手術の合間に服部先生の携帯は鳴りっぱなしです。ハノイにいる間に診察や手術の依頼が殺到するのです。

 滞在中に服部先生がハイフォン(ハノイから南に2時間)での授賞式に参加されるとのことで同行させていただきました。ハイフォンはかつて貿易港として栄えた非常に趣があるところでした。授賞式はオペラハウスの様な美しい建物で行われ、保健省の役人をはじめ多くの著名人が出席する中、ハイフォン眼科病院の院長の歌あり、従業員の踊りありと非常に楽しく、言葉はさっぱりわかりませんでしたがベトナム式の式典を堪能できました。

 後半はティンクアン省(ハノイから北に4時間)にて、白内障手術のボランティア活動に参加しました。移動中の車窓からはベトナム戦争の慰霊碑をあちこちで見かけました。山中に入ると水牛に道を譲ったり、バイクにこれでもかというくらい卵を乗せて運ぶ人やブタや花等をくくり付けて悪路を走行している人たちを見たりしながらのあっという間の4時間でした。ティンクアン省総合病院では、二日間に渡りDr.4名で80人を超える患者さんを執刀しました。顕微鏡・フェイコマシーンのみならず手術着まで持参するという環境の中での、現在の日本では稀にしか見ないような難症例の白内障手術を執刀するという経験は、単に「難しかった」では言い表せません。

 土・日曜にも関わらずスタッフ総出で立ち会っており、スタッフの並々ならぬ熱意が伝わってきました。ベトナム人は皆家族思いで、患者さんは大抵家族3~4人とやってきますので廊下は人だかりです。病棟は満床という状態はありません。1つのベッドに2人ずつ、小柄な人だと3人ずつ寝ています。そこに家族もいますから病室はさながら満員船のようでした。夜は副知事が歓迎会をしてくださり、ベトナム料理と地酒でもてなしていただきました。ベトナム式の乾杯は音頭でグラスを合わせたあと飲み干して握手です。これを全員と行います。女性も男性も関係なくみなさん良く飲みます。翌日の朝食の食卓にも地酒があったのには驚きました。その朝食の地鶏のゆで卵の美味しかったこと!帰国後、烏骨鶏を始め色々な地鶏の卵をゆで卵にして食してみましたが、ティンクアンの卵に勝るものはありませんでした。

 ベトナムで会った人達は皆生き生きと一生懸命生きている感じがしました。今の日本では忘れられたパワーがあるように思いました。ベトナムからもらったパワーを生かしてこれからますます頑張らなくては!と思いつつベトナムを後にしたのでした。

どのベッドも満床(ティンクアン省)
左から4人目が筆者(手術が終わって乾杯)
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