アジア失明予防の会

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●  ベトナムでのボランティア活動に参加して(京都市立病院 眼科医師 吉田 祐介)

2009/3/15 ~ 22

 今回、ベトナムにて無償で眼科医療のボランティアをされている服部先生の活動に参加させていただきましたので、報告致します。今回は1週間という短い間の参加でしたが、非常に多くの刺激の受けることができました。

 3月16日~18日はハノイ国立眼科病院、テレコム病院、フレンドシップ病院にて、外来診療と、主に内視鏡を用いた硝子体手術の見学をさせていただきました。

 ハノイ国立眼科病院では、服部先生の診察を待っている多数の患者で朝から廊下が混雑しており、一通りの診察が終わるとすぐに手術に向かうといったスケジュールでした。ハノイ国立眼科病院は外来、手術室ともに、検査機器、手術機器が一通り揃っていました。特に白内障超音波機器や手術顕微鏡はハイレベルで、日本の病院に見劣りしないものであり、訪れる前に持っていたイメージとは異なり驚かされました。しかし、すべての手術室に設置されているわけではなく、実際に見学をさせていただいた手術室は、一昔前の手術顕微鏡で、微細な手技を要する網膜・硝子体手術は無理であり、ここでは内視鏡を用いた硝子体手術が活躍していました。 高性能な顕微鏡がない状況でも、テレビモニターを見ながら教育も兼ねた手術を行うことが可能であり、現在までの服部先生の教育により現地のベトナム人ドクターも非常にレベルの高い内視鏡手術を行っていることには驚かされました。ベトナムの医療状況においては一番適した硝子体手術の手段と思われました。

 3月19日からは飛行機でハノイからホーチミンへ移動し、そこから車でドンナイ省の病院に移動しました。地方の病院にしては非常に立派で、設備も充実しており、そこで手術室を提供していただき、活動を行うこととなりました。着いて間もなく遠い地方から訪れた多くの患者を次から次へ診察し、一人一人に合わせたレンズを決定する。そして手術室に移動して、次々と手術をこなしていくという流れで進みました。白内障手術の患者の中には、水晶体が白色か茶色、中には真っ黒になるまで進んだ白内障の方までおられ、非常困難な手術を強いられることもありました。翌日、眼帯を外して、無邪気にはしゃいで喜んでいる患者の姿が印象的でした。診察や術前準備、手術内容に一連のスムーズな流れがあり、ベトナムという特殊な医療現場の中で服部先生が築いてこられた活動体制が出来上がっていると実感しました。

 このボランティア活動を支援するために、日本の全国各地から多くの方が参加されていました。私が参加した日程の中でも、多くの現役看護師や看護学生が熱心に活動を支えていました。参加者の熱意や必死さ、団体を盛り上げていこうとする姿勢には何度も驚かされました。中には何度もこの活動に参加する方もおられ、こうした方々の現在までの活動姿勢が、現地の医療機関との友好関係を強固なものとし、評価されるものとなっているのであろうと感じました。しかしながら、近年のベトナムでの医療技術の向上に伴い、白内障手術を有償で行っている地元医師との摩擦も生じてきており、なかなか活動を受け入れてもらえない状況も生じてきているため、ただ単に医療技術を提供するだけではなく、この活動を広く普及するためにベトナム各地の保健衛生局や病院との強い連絡を築いていくことも重要であると服部先生には教えていただきました。

 今回の活動を振り返ると、実際の手術現場では、思うような手術を行うことができず、服部先生の手を煩わせ、満足とは程遠い内容でした。自分の適応力の無さにひどく落胆もしました。服部先生には多大な迷惑おかけし、後ろめたい気分を感じつつも、服部先生の熱意に心惹かれ、少しでも手助けしたいと感じる自分を見つけた1週間でした。

服部医師と一緒に執刀している筆者<br />(ロンアン省)
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