アジア失明予防の会

NPO アジア失明予防の会は、貧困のため十分な眼科治療が受けられず失明の危機に苦しむアジアの人々を救う支援を行っております。

HOME > 活動報告 > ベトナムボランティア参加レポート - 2007〜2008 > ベトナムでの海外ボランティアに参加して(中村 由実)

●  ベトナムでの海外ボランティアに参加して(中村 由実)

2007/8/8~14

 私は、中学生の頃からある本から発展途上国での貧しい人々の現状を知り、「将来は看護師になって海外医療ボランティアに参加したい」という夢を胸に、看護大学に進学しました。そして、山口大学の講演会で偶然にも服部先生に出会いました。この講演がきっかけで、服部先生のベトナムでの活動を知り、「患者様を家族と思え」という服部先生の熱いハートに強く賛同しました。その後もテレビや新聞、著書を拝見し、服部先生の活動を尊敬し、先生のご好意があって、今回同じ学生の西川明日香さんと一緒に参加させていただくに至りました。

 ベトナムでの先生はテレビで見たままの姿でした。多くの患者様を抱えて忙しそうでしたが、先生は、やさしい笑顔で出迎えてくれ、初めてお会いできたときは、長い間待ち望んでいた夢が叶い、本当に感激しました。現地では国立眼科病院や他の病院での手術、地方に出向いての白内障の手術に同行させていただきました。初めは何をすればよいか分からず手術室の隅でただ立って見ているだけでしたが、「ぼーっと立っているだけじゃなくて、何でもいいからできることをやればいいんだ。」と先生が励ましてくださいました。この先生の一言で「自分もスタッフの一員なのだ」ということを自覚でき、勇気づけられ、ベトナムでのボランティア活動がスタートしました。

 国立眼科病院では、先生が専門とする内視鏡を用いた網膜硝子体の手術を十分に見学させていただきました。ずっと憧れていた先生の手術を間近で見学でき、次々と多くの手術をこなす先生の手際のよさ、技術のすばらしさに、ただただ感動しました。日本では決して見ることのできない貴重な体験のひとつです。また、ベトナム人の医療スタッフの方々も私たちに対してとても親切にしてくださいました。私は臨床経験がなく、分からないことだらけでした。しかし、スタッフの方々に「何かできることをしたい」ということを伝えると、彼らはそんな私たちの思いを受け入れてくれ、忙しい中でも快く指導してくださいました。教えられたことを見よう見まねで必死に行いました。言葉が違うため、コミュニケーションが困難なこともありましたが、積極的に関わる中で、互いに良い関係が築かれたと感じます。人との信頼関係を築くためには自分自身が一生懸命に行い、誠意を見せることが大切だと感じました。

 地方では、先生に手術を行ってもらうために、毎回多くの患者様が待っていました。国立眼科病院で学んだおかげで、手術の流れを少しずつつかみ、地方では、以前よりも今何が必要なのか考えながら動くことができました。そんな私たちを、先生方は暖かく見守りながら、さまざまなことに挑戦させてくださいました。直接患者様と触れ合うことも多々あり、手術後は、たくさんの患者様の笑顔に何度も出会いました。ある患者様は、私たちをぎゅっと抱きしめてくださり、言葉は通じないけれど、本当に心が温かくなりました。

 先生は多くの患者様から心から感謝されていて、先生が患者様と笑顔で握手を交わしている場面は本当に感動的でした。先生がこの活動から得ているものは本当に大きいものなのだと思いますが、その感動を今回私も一緒に感じることができたことは本当に貴重な経験だったと思います。

 手術を実施するために、先生方は日本から必要な器具を全て準備し、患者様の誘導、点眼、消毒、術後の片付けなど医師としての仕事以外にも全てのことをされています。私も、先生方と一緒にできる限りのことを必死に行いましたが、実際に経験してみて、これらの一連の動作を全て自分たちで行うのは、本当に大変だと感じました。

 お金があっても何もしていない人もいる。そんな中で先生は無償でもう何年もこの活動を続けられているのだと思うと先生の患者様に対する熱い思いが伝わりました。先生のお話や著書を拝見し、今の活動に至るまで、多くの困難を抱え、孤独で辛い時期もあったと聞いていました。しかし、今となっては、多くの方を失明の危機から救い、光と希望を与えています。先生の長年の努力の末、さまざまな方との信頼関係を築き上げ、多くの人の心を動かし、その支えがあるからこそできる活動だと思います。

 私たちももちろん、先生に心を動かされた方々の一人です。先生は、「若い人には生きてるって実感してほしいんだ。」と私たちに言われていました。先生の期待通り、ベトナムでの私は、以前の自分より生き生きして本当に充実した毎日でした。そして日本に帰ってからも不思議と満足感を感じています。そして、実際に日本とは違う環境で生活し、貧しい人々を目にして、何不自由なく生きている自分が本当に幸せだと思いました。当たり前に生きている今の生活は、感謝しなければならないことなのだと感じ、この経験を通してさまざまな面で考え方や価値観が変わりました。日本では忘れていた大事な気持ちをベトナムでの経験から思い直すことができたと思います。

 今回、一緒に活動を共にして、改めて先生を尊敬しましたし、信念を曲げずにやり通すこと、諦めずに努力することの大切さを実感しました。私はまだ、将来看護師としてどのように活躍したいのか具体的には決まっていませんが、今回の貴重な経験から、人として、また医療者としての視野を広げ、一歩成長できたと思います。また、先生や現地で一緒に活動されている方々に励まされ、今後の自分の将来の夢も広がり、今まで以上に自分に自信が持てました。何より幼いころから夢見ていた海外ボランティアが実現できたことが心から嬉しかったです。

 服部先生を始め、栗原先生、服部大使、ベトナムのスタッフの方々そして今回出会った全ての人との出会いに感謝します。この貴重な経験を生かして日々自己研鎖し、医療者としての熱いハートを持ち続けたいと思います。そして、また感動をもらいに、ベトナムに行きたいです。

何をしていいのかわからず手術室の隅で立ったまま
手術後、大喜びの患者さんに抱えられて
ODAのセレモニーで服部大使を囲んで
アジアの貧しい国々の人々が一人でも光を失くさなくてすむように。アジア失明予防の会へのご支援はこちらをクリック!