アジア失明予防の会

NPO アジア失明予防の会は、貧困のため十分な眼科治療が受けられず失明の危機に苦しむアジアの人々を救う支援を行っております。

HOME > 活動報告 > ベトナムボランティア参加レポート - 2007〜2008 > ベトナムの医療活動に参加して(ふなつ眼科 小田 直秀)

●  ベトナムの医療活動に参加して(ふなつ眼科 小田 直秀)

2006/11/1~6

 私は現在、視能訓練士として眼科で働いています。視能訓練士とは「視能訓練士法」で定められた国家資格をもった医療従事者です。眼科で医師の指示のもとで視機能検査を行うとともに、斜視や弱視の訓練治療にも携わっています。
 今年の4月に放送された「情熱大陸」を観て、服部医師のベトナムでの医療活動を知り、また同時に感銘を受け、一緒に現地で働いてみたいという衝動に駆られました。そんな折、日本で診察をしている出張病院1つのふなつ眼科(山口県周南市)の舩津院長が、私の思いを理解して下さり、服部医師をご紹介いただき、ベトナムの医療活動へ参加となりました。

 そして今回、2006年11月1日~6日の短期間でしたが、下記の日程でベトナムでの医療活動に栗原医師、フォン医師とともに参加させていただきましたので、報告させていただきます。

【日程】 
11月2日・3日(午前):ハノイ国立眼科病院 網膜硝子体手術 見学
11月3日(午後)~5日:ティンクアン省 白内障手術 補助
11月6日(午前):テレコム病院 LASIK手術 見学
11月6日(午後):日航ホテル モバイルアイクリニックバス 寄贈式典

ハノイ国立眼科病院 網膜硝子体手術
 私はメディアを通じてベトナムの医療現場の一部を見ていただけでしたが、実際は私が思っていた以上で正直驚きました。入院施設や医療器具の不十分さ、術前・術後の管理など、日本の病院と比較すると発展途上ですが、それでも以前と比べると設備が充実し、スタッフの技術も向上していると服部医師から説明がありました。手術室内の日本製の医療機器や、日本人医師を慕う多くのベトナム人のスタッフを見ると、服部医師の努力の軌跡を改めて実感しました。

ティンクアン省 白内障手術
 ハノイ市から北に車で約4時間走ったところに、ティンクアン省という地方の田舎町があり、今回そこで白内障手術を施行するというので同行させていただきました。
 ここでの患者さんの白内障の症状は、日本では稀に見る程度の高核硬度の状態が普通に存在していて、地方の町の人々にとって、定期的に病院に通院したり、早期予防や早期治療を実施したりすることが、いかに困難なことであるのかを考えさせられました。また白内障手術に使用する眼内レンズは、患者の状態に合わせて度数や種類を選択する必要がありますが、ベトナムでは必ずしも実施されていないそうです。「手術手技だけでなく、患者さんのニーズに応じて手術目的を変化させる応用力と柔軟性、術後の視覚QOLを重視した発想の転換といった繊細な部分の指導も今後は必要だ。」と服部医師が語っていたことが印象的でした。

テレコム病院 LASIK手術
 ホン先生のご考慮で、勤務されているハノイ市内のテレコム病院眼科を見学させていただきました。この病院には最先端の角膜形状解析装置があり、それに伴いLASIKも盛んに施行されていて、思いがけないベトナムの眼科領域の著しい発展を目の当たりにしました。

モバイルアイクリニックバス 寄贈式典
 2006年11月6日にハノイ市の日航ホテルで執り行われたモバイルアイクリニックバスの式典では、日本経団連の日本ベトナム経済委員会(委員長:岡素之・住友商事社長)から、特注で製造されたバスがハノイ国立眼科病院に寄贈されました。
 バスの開発・車両整備に携わった日本やベトナムの企業の方々、またハノイ国立眼科病院の院長をはじめ、多くの病院スタッフが参加され盛大な式典が催されました。バスは車内で診察・手術ができる設備が施されており、地方の地域でさらに多くの眼疾患を治療する機材の1つとして、活躍していくことが期待される素晴らしい1台でした。

感想
 日本の臨床現場とは違う雰囲気に当初は戸惑いましたが、現地で精力的に活動される先生方に私も啓発され、一緒になって仕事に参加できたと思います。
ベトナムには視能訓練士(日本)、optometrist(アメリカ)といった眼科検査の専門職はなく、検査も眼科医が全て行なっていました。ベトナムの医療が発展するにつれて、より詳しい病態の把握、術前術後のデータの比較といった検査の分野も進歩していくと思われます。私は眼科に携わるスタッフの1人として、ベトナムの医療活動を視能訓練士の立場から、支援していきたいと思います。

親友となったテレコム病院のホン先生と一緒に
アジアの貧しい国々の人々が一人でも光を失くさなくてすむように。アジア失明予防の会へのご支援はこちらをクリック!