アジア失明予防の会

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●  ハノイ盲学校を尋ねて(栗原医師より)

 ハノイの中心から車で20分ほどのところに、Ngyen tinh chien 盲学校がある。学校の創設者であるNgyen tinh chien氏は、自身が緑内障で視力障害となり、子供たちの為に盲学校を作り社会貢献をしている人物で、知らないベトナム人はいないというほどの有名人だ。

 ハノイにある一般的な学校と比べるとかなり大きな建物で、普通の小・中学校と視機能障害のクラスがあり、寮・食堂・ホール・音楽室などの設備もある。私たちが訪れたとき、夜学?らしき中学~高校生くらいの生徒20名ほどが授業を受けていた。

 建物の奥に、視機能障害の10代の子供たちが集団で生活(寮)をするスペースがある。途中の廊下は障害者に配慮されたとは言い難く、階段や段差が存在する。10畳ほどの部屋には2段ベッドと勉強机が配置され、男女別・数名で使用している。光覚を失った子供たちは、比較的視機能の良好な子供と移動したり、楽器を演奏したりとお互いに協力しあう姿が見られた。

 視力障害の原因疾病は、眼振(視力不良性・先天特発)・屈折弱視(強度遠視・近視)・先天性緑内障および白内障・外傷などである。 私たちが今回診察を行った結果、残念ながら視機能回復を期待できる子供はいなかった。診察の感想だが、病気の治療をしている例でも視機能が改善されていない。特に先天性白内障の場合だが、生後早いうちに手術を行い術後眼鏡などで矯正することで視機能が改善するのだが、ベトナムでは発見・治療が遅れ弱視となるものと思われる。また、強度遠視の場合には幼少時に発見し眼鏡で矯正することで弱視を防ぐのだが、ベトナムでは子供の視力不良に気が付くのが遅いため弱視になってしまう。このような例は、日本のように幼少時からの健診・視力検査といった制度を導入する事で、予防が可能である。

 また、教師不足も問題点のひとつだが、視機能障害者の就業訓練には不備を感じた。現状は音楽活動を行い若干の収入を得ているのだが、自立とは程遠い。例えば製品の袋詰め・ラベル貼りなどの軽作業などは可能ではないだろうか。まだベトナムではこの様な仕事は少ないが、経済発展に伴い今後は増加すると思われる。

眼科医として子供たちに何ができるのか、考慮し検討する必要があると考えられた。


服部追記:私は杉良太郎さんと東京でお会いする機会を得ました。杉さんは現在ベトナム親善大使をされており、ベトナムにとても深くかかわっておられます。この盲学校も十数年前より、杉さんが支援をしておられ、今回の検診は杉さんからお話を伺って実現したものです。盲学校のほかに、聾学校や孤児院など数多くの子供たちを支援をしておられ、その活動の広さには驚くばかりです。

盲学校での検診の様子(双眼倒像鏡を使用)
杉良太郎さんと意気投合(東京にて)
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