私たちはこのフエ省でも無償の白内障プロジェクト『Save the vision』を展開しています。これまでに4回ほど実施していますが、徐々に現地医師やスタッフも慣れてきて、2人のベトナム人医師は超音波白内障手術が少しできるようになってきました。今年の3月には日本から、奥村医師やAOCA理事長の飽浦医師が参加し、奥村医師は超音波白内障手術の分野を、そして飽浦医師はネパールで鍛えあげた無縫合ECCEを現地医師に指導していました。奥村医師は前回、器具不足に悩まされていましたので、今回は完全装備で臨んでいました。また飽浦医師はご自身がこの無縫合ECCEを安全に行うために考案・作成された飽浦式核摘出器具を現地医師に寄贈していました。3月18日・19日の2日間で約70名の白内障手術を行いました。このプロジェクトで心がけていることは、超音波手術の適応で年齢の若い患者さんには術後乱視などを考慮してできるかぎりソフトレンズを使うようにしています。また、患者さんの取り違えがないように、眼内レンズには患者名、年齢などを書き込み、手術前に看護サイドでリストをチェックし、眼内レンズを挿入するときにもう一度チェックを行います。いくらすばらしい手術をしても眼内に入れるレンズの度数が大きくずれてしまっては何にもなりませんので、細心の注意を払いながら行っています。