アジア失明予防の会

NPO アジア失明予防の会は、貧困のため十分な眼科治療が受けられず失明の危機に苦しむアジアの人々を救う支援を行っております。

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●  フエ省に対する日本からの支援

 ハイホン省、ハノイ国立眼科病院についでベトナム中部の都市、トアンティンフエ省に対しても、このたび日本政府より草の根無償資金援助が行われることになりました。支援額は8万6千ドルで、その中には最新の超音波白内障および硝子体機器の購入が盛り込まれています。この地域に暮らしている人々は貧しい方が多く、網膜硝子体疾患(網膜剥離、硝子体出血、糖尿病網膜症など)に罹っても中部では治療できる施設がないので、治療のためにハノイかホーチミンに行かなければなりません。どちらにいくにしても約700キロ近く離れていますので、バスに乗って12時間以上かかります。これらの機材が今後有効に活用され、多くの方の治療に役立てばと願っています。

 私たちはこのフエ省でも無償の白内障プロジェクト『Save the vision』を展開しています。これまでに4回ほど実施していますが、徐々に現地医師やスタッフも慣れてきて、2人のベトナム人医師は超音波白内障手術が少しできるようになってきました。今年の3月には日本から、奥村医師やAOCA理事長の飽浦医師が参加し、奥村医師は超音波白内障手術の分野を、そして飽浦医師はネパールで鍛えあげた無縫合ECCEを現地医師に指導していました。奥村医師は前回、器具不足に悩まされていましたので、今回は完全装備で臨んでいました。また飽浦医師はご自身がこの無縫合ECCEを安全に行うために考案・作成された飽浦式核摘出器具を現地医師に寄贈していました。3月18日・19日の2日間で約70名の白内障手術を行いました。このプロジェクトで心がけていることは、超音波手術の適応で年齢の若い患者さんには術後乱視などを考慮してできるかぎりソフトレンズを使うようにしています。また、患者さんの取り違えがないように、眼内レンズには患者名、年齢などを書き込み、手術前に看護サイドでリストをチェックし、眼内レンズを挿入するときにもう一度チェックを行います。いくらすばらしい手術をしても眼内に入れるレンズの度数が大きくずれてしまっては何にもなりませんので、細心の注意を払いながら行っています。

検査を待っている入院患者さんたち
AOCAの飽浦医師も参上(左から二人目)
今回は完全装備で手術に臨んだ奥村医師
眼内レンズの取り違えがないように入念にチェック
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