NPO アジア失明予防の会は、貧困のため十分な眼科治療が受けられず失明の危機に苦しむアジアの人々を救う支援を行っております。
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活動報告 - 2008以前 医療の現状
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ハノイの国立眼科病院の現状
● ハノイの国立眼科病院の現状 ベトナムでの眼科医療の現場で、頭を悩ます問題がいくつかあります。そのひとつはハード面での不足です。ベトナムは日本のODAの最大の供与国で毎年多くの資金協力、物質援助が行われています。医療・保健部門では最近有名なものとしてはバクマイ病院の新築工事(60億円)などががあげられます。現在もフエ総合病院を建築中でこれもODAの予算規模としては60億円ほどあります。
眼科領域では1994年に大規模な協力が行われ、JICAを通してこの国立病院にも1億円近くの医療機器の寄贈があり、手術顕微鏡やスリットなどかなり多くの機械や器具が新しくそろいましたが、それ以降にはまとまった寄贈はなくこの10年間の間に、かなりの機械・器具が老朽化しており、中には故障してしまって修理することもできずに放置されている機械もあります。
ハノイの国立病院には先に述べましたように白内障手術機器2台と硝子体手術機器は2台あります(1台は白内障機械と同一機器のミレニアムとニデックのVT4000)。病院の規模から言えば病床が300床(各診療部門に60床)あり、年間手術件数が1万件を超える病院ですので、これで十分とはとても言えません。超音波白内障手術をするにも機械が不足しいるため、機械の使用は順番の譲り合いで、使用できないときには嚢外白内障手術を行っています。超音波白内障手術を実習するにしてもなかなかその機会がないのが現状です。
また超音波白内障手術には欠かせないナイフ類も不足しており、切れにくくなっているナイフでも再生しながら何度も使用しています。網膜症硝子体手術におきましては、硝子体カッター(日本では1症例に1本使用しています)が不足しており、1本のカッターで20人以上も手術を行わなければなりません。当然カッターの切れ味が悪くなるわけですが、それでも十分な数のカッターがありませんでしたので、切れないカッターでも我慢して用いて手術するしかありませんでした。また、硝子体手術に必要なマイクロの眼内セッシ、カンシ類は全くなく、これらは日本にて自前で購入し買い揃えました。また眼内レーザーが無いため、難症例の増殖性硝子体網膜症や増殖性糖尿病網膜症の治療を行うにはかなり難しい状況でした。そのため手術治癒率も低く、多くの症例にやむなくシリコンオイルを使用せざるを得ませんでした。
この状況を何とか改善したいと考え、まずメスやカッター類ですがこれらは日本でアルバイトしている病院や京都府立医大病院、多根記念眼科病院にお願いして、今まで1回で廃棄処分しているナイフや硝子体カッター類を再滅菌していただき(1回使用してもまだまだ切れ味がシャープで使用できますので)パックしてこれらをベトナムに持っていくようになりました。これによりかなり手術環境が良くなりました。また、眼内レーザーについてはその必要性を病院側に何度も説明し、昨年の年末にやっと購入していただきました。それまでの間、多根記念眼科病院の真野先生のご好意により眼内レーザーの機械をお借りしてベトナムに持ち込み現在も使わせてもらっています。このお陰で、難症例に対する治癒率も高くなり、何よりも糖尿病網膜症の患者さんに対して安全に手術を行えるようになったことが大きな成果だと思います。